建物には木造・鉄骨・RCなど様々なものがありますが、木造の解体には他の構造の建物と比べて手作業の比重が多くなります。2000年に制定された「建設リサイクル法」の定めるところにより、「分別解体」や「再資源化」が義務付けられるようになったためです。解体工事は、重機を使って行うのが一番早く済みますが、すべてを重機で行ってしまうと資材の分別の手間がかかってしまいます。また手作業の割合が多くなることで、作業時間が長時間化し、工事費用も高騰化をする傾向にあります。解体工事の流れとしては、足場の設置や養生を行ったあと、まずは瓦礫の撤去を行い、その後、内装や建物内の設備、建物本体、基礎の順番に解体を行っていきます。1坪あたりの費用の相場は4~5万円です。
1解体工事着工前
2解体工事実施
建物外側より内側に対して作業を進めていきます。
3解体工事実施中
4解体完了
廃材は全て分別し、適切に処分いたします。
5整地・完了
木造よりも素材のかたい素材である鉄骨の住宅は、重機によって解体が行われます。鉄骨には「重量鉄骨」と「軽量鉄骨」があり、鉄骨の厚みが6mm未満であれば軽量鉄骨、 6mm以上は重量鉄骨となります。一般的には、軽量鉄骨と比べて重量鉄骨の方が費用は高くなり、また重機による工事が基本となるため、近隣住民に対する騒音等の配慮が必要です。解体方法には2種類あり、ショベルカーを使って解体を行う「鉄骨切断カッター工法」や、建物に熱と酸素を加えながら解体していく「ガス切断工法」があります。解体工事の流れとしては、足場の設置や養生、瓦礫撤去、内装・建物内設備・建物本体・基礎の順番に解体を行っていきます。1坪あたりの費用の相場は3万~3.5万円です。
1解体①
鉄骨カッターでバチンと鉄骨を切っていきます。
あれだけ太い鉄骨も簡単に切れちゃいます。
2解体②
鉄骨建物内部も解体していきます。
RC造とは「鉄筋コンクリート造」とも呼ばれ、耐震性・耐火性・耐火性・遮音性に優れたつくりとなっています。強度が強いため、ビルなどの大きな建物にも使われています。そのため、階数の高い建物を解体することも多く、その場合「階上解体」という工法が取られます。大型クレーンで重機を持ち上げ、最上階から解体を行っていく階上解体に対して、地上に設置された重機を使う「地上解体」という工法もあります。RC造の解体は大きく分けてこの2つに分類されますが、そこからさらに圧砕機を使った「圧砕工法」、大型ブレーカーでコンクリートを壊していく「大型ブレーカー工法」、外壁を転倒されてコンクリートを砕く「転倒工法」といった工法に分かれていきます。1坪あたりの費用の相場は2.5万円~3万円です。
テナントを借りていてそこを引き払うこととなった場合、内装解体を行う必要も出て来るでしょう。「以前コンビニだった店が美容院になった」といったように、建物自体が建て替えられるのではなく、内装のみが工事によって生まれ変わるということはよくあります。内装解体工事は主に「スケルトン工事」と「原状回復工事」の2種類あります。スケルトン工事は、柱・天井・床なども含め建物内にあったものの全てを撤去する工事のことを指します。余計なものは一切ない、ただの空間だけを残すイメージです。原状回復工事は、借り始めた時の状態に戻す工事を指します。そのため借りた時の状態によって「どこまで解体するか」が変わってきます。借りた時点でスケルトン状態だったのであれば、解体する際もスケルトン状態にする必要がありますが、柱や床など何かしらが置いてあった場合、それは解体してはいけないものとなります。